説明
NUITS-SAINT-GEORGES 1ER CRU LES CHENES CARTEAUX
ニュイ サン ジョルジュ プルミエ クリュ レ シェヌ カルトー
畑の広さは約1ha。
ニュイ サン ジョルジュ村の最南端にあり、
約半世紀前に葡萄が植えられました。
丘の上の森に隣接した急傾斜の畑で地表に
小砂利が散らばっている粒の細かい粘土質土壌です。
コート ドールでは希少な砂質土壌でもあります。
傾斜が急な畑では、雨が降った後に土が流れてしまうという問題に対し、
先代のピエール氏は1975年に葡萄の木の列の間に
芝生を植える方法を生み出しました。
これは降雨後の土地の侵食を防ぎ、
雑草が生えるのを抑える働きもしました。
また、丈の高い雑草が生えない為に畑の通気が良く、
カビの発生を抑制する効果もありました。
さらに、芝生があることで葡萄の根は横ではなく
下に向かって伸びるため地中深くの養分を吸収することができ、
結果としてテロワールを明確に表現することができました。
1990年代から徐々に畑をビオロジック(有機栽培)に変えていき、
2008年から100%ビオロジックになりました。
現在ではビオディナミに移行済みの畑もあります。
テロワールとヴィンテージを尊重する為、
毎年同じ仕事をします。
畑仕事は天候状況や病害に対してそれぞれ適切な作業や
処置を行いますがベースとなる仕事は毎年同じです。
醸造、熟成も毎年同じ仕事をします。
畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された
醸造所の2階にある選別台で厳しく再度選別。
タンニンが出過ぎないように特殊な除梗機で破砕しないまま100%除梗され、
地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。
1階で醸造後は地下で重力によって運び熟成させます。
これがグレゴリー氏が当主になってから導入したグラヴィティシステムです。
ポンプ等の機械を使わずに自然の力で
果皮や種、果汁を運ぶ事でストレスを与えず、
また傷付ける事もないので過度なタンニンの抽出を抑えます。
アルコール醗酵に使われるコンクリートタンクは
初代アンリ グージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、
タンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に
発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、
醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出せます。
ルモンタージュ(液循環)には医療にも使われている機械を導入し、静かに行います。
バトナージュ(攪拌)は行いません。
(先代は極少ない回数だけ行っていて、
グレゴリー氏が継承当初は更に少ない回数だけ行っていたが現在は無し)
ピシャージュ(櫂入れ)は一日一回。
タンク内に設置されている金網状で皮等を傷付けないように静かに行う。
機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と
果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。
その後、樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。
初代アンリ グージュ氏の頃から全てのキュヴェが100%樽熟成で新樽率は20%です。
とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、
コラージュ(清澄)やフィルター(濾過)は行わずに瓶詰めされます。
ニュイ サン ジョルジュらしいストラクチャーと力強さもありますが、
砂質土壌由来の果実味がとてもエレガントで1級の中ではバランスが整いやすいワイン。
隣接する1級畑
「レ サンジョルジュ」や
「レ ヴォークラン」
よりも早くから楽しめるようになります。
飲む時のお薦めグラス
グラス底部が丸い風船型のグラス。
当主からのヴィンテージコメント
2015
畑には葡萄の木と競合させて樹勢を強くさせたり水分が行き過ぎないようにする目的で芝生を植えているが、2015年は雨が少なかったので貴重な水分を芝生に取られてしまった影響で葡萄の房数が少なく、さらに粒が小さい葡萄が多く収穫量は例年の50%ほどに減少してしまった。ただ、葡萄の健康状態は通常選別で20%ほど捨てているのに対し、2015年は3%くらいしか捨てる必要がなかったくらい良い状態だった。太陽いっぱいのタッチから力強い味わいでブルゴーニュらしくないが素晴らしい凝縮感がある。
傾斜のあるレ シェヌ カルトーの畑(9月)
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