DOMAINE DE LA NOBLAIE ドメーヌ ド ラ ノブレ

地所:ロワール地方 シノン地区
ビオロジック

シノン城から車で15分ほどのところに居を構える当ドメーヌは数百年前から葡萄栽培を含む農業を営んでおり、1953年に初めて自社瓶詰をしました。1968年、ボルドーの国立農業専門学校を卒業したフランソワ ビヤール氏がドメーヌを引き継いで畑を少しずつ増やしていきました。フランソワ氏は地元の醸造学校で醸造学の講師としてロワールの若い生産者を何人も育ててロワールワインの発展にも貢献。2003年、彼の息子でありポムロールのペトリュスなどで修業を積んだ現当主ジェロム ビヤール氏がドメーヌを引き継いで、常に品質の向上、テロワールとヴィンテージのキャラクターを尊重するワイン造りを心掛けています。

ドメーヌが所有する畑のほとんどは醸造所に隣接していてその周りには葡萄畑を守るように樹木が生い茂っています。ドメーヌの畑は南東向きの盆地の頂上に程近い場所にあるので周囲の天候から隔離されてミクロクリマを形成しています。土壌は「テュフォ」と呼ばれる炭酸塩堆積物(石灰岩の一種)が主でその上に粘土質などが堆積しており、ワインに豊かさと骨格、熟成できるポテンシャルを与えています。

合計2,300haあるシノンの畑の約98%がカベルネ フラン種でシュナン ブラン種の畑は50ha弱しかありませんが、歴史の長い当ドメーヌは貴重なシュナン ブラン種の畑を5ha、カベルネ フラン種の畑を19ha所有しています。

ほとんどの区画がドメーヌに隣接しているので常に畑の状態を観察し、細かな気配りや迅速な対応が可能なのでビオロジック農法に適した条件が整っています。また、ワインのクオリティを上げるには収穫量を制限するしかないという哲学で摘芽や摘房を厳しく行い、収穫は全て手摘みですべてを1度に収穫せずそれぞれの成熟具合を見ながら行います。

カベルネ フランについては成熟が遅い区画と早熟な区画で2~3回に分けて行います。シュナン ブランは成熟具合が不均一になりやすい品種なので房ごとに吟味しながら4回に分けて収穫します。

当主:ジェロム ビヤール氏

当主からのヴィンテージコメント
2015

CHINON ROUGE PIERRE DE TUF
シノン ルージュ ピエール ド テュフ

品種:カベルネ フラン100%

1943年植樹のドメーヌで1番古い粘土質区画の葡萄を使用。他のキュヴェとは違い、15世紀に造られた石灰岩タンクで醸造、12ヵ月樽熟させます。ピジャージュ(櫂入れ)をじっくり行うことで種や果皮のアロマを引き出し、リッチで凝縮した旨味と複雑味、余韻の長さがあるポテンシャルを感じさせる味わいに仕上げています。

15世紀に造られた石灰岩タンク

CHINON ROUGE LES CHIENS CHIENS
シノン ルージュ レ シアン シアン

品種:カベルネ フラン100%

ドメーヌの裏にある粘土質土壌の樹齢約35~55年の葡萄を使用。ステンレスタンクで醗酵、樫樽で14~16ヵ月間熟成させます。他のキュヴェよりアルコール醗酵を長くさせることでスパイシーなアロマを表現、パワフルで肉厚な旨味と余韻にしっかりとした渋味を感じる飲み応えのある味わいになっています。

レ シアン シアンの区画

CHINON ROUGE LES BLANCS MANTEAUX
シノン ルージュ レ ブラン マントー

品種:カベルネ フラン100%

当ドメーヌ唯一の石灰質土壌区画のカベルネ フランのみを使用。樹齢は60年を超え、葡萄の粒がとても小さいのが特徴。ステンレスタンクで醗酵、そのまま12~14ヵ月間熟成させます。口当たり柔らかで酸味も丸く、繊細でエレガントな味わい。カベルネ フランの青い特徴をあまり感じさせない飲みやすい造りになっています。

丘の斜面を掘ったトンネルカーヴ

CHINON BLANC LA GRANDE OURSE
シノン ブラン ラ グランドゥルス

品種:シュナン ブラン100%

石灰質土壌の樹齢50年の葡萄をステンレスタンクで醸造、澱上で4ヵ月熟成させます。マロラクティック醗酵はヴィンテージによります。とてもフルーティでたっぷりとしたアロマ、酸味も豊か。樽を使っていないので重い印象はなくフレッシュでバランス良く飲みやすい味わいになっています。ボトリティス菌が付く前に収穫した葡萄のみ使用しています。

畑で見つかった白亜紀のアンモナイトの化石