CHATEAU RAYAS シャトー ラヤス

地所:ローヌ地方 シャトーヌフ デュ パプ地区

現当主であるエマニュエル レイノ氏は現在3つのシャトーを運営しています。1880年にエマニュエル氏の曾祖父が葡萄栽培を始めたところからスタートしたこのシャトーは、1920年には瓶詰を始めてシャトーのワインとして売り出すようになりました。その後、レイノ家はシャトー デ トゥール、シャトー ド フォンサレットを購入してワイン造りの幅を広げ、現在では合計約60haの葡萄畑を所有しています。シャトー デ トゥールはエマニュエル氏の父から、シャトー ライヤとシャトー ド フォンサレットは叔父のジャック レイノ氏から引き継いで運営しています。

シャトー ライヤはシャトーヌフ デュ パプの町から車で10分ほどの所にあり、農道を奥深くまで進んだ所に醸造所が建てられています。醸造所内は薄暗く、2階への木製の階段は崩れかけており、何十年も使い続けている樽が並んでいます。約10haの葡萄畑は人里離れた森の中に位置し、御当地名物の大きな円礫が見当たらない痩せた砂地で育つ葡萄からはとても繊細な味わいのワインが出来上がります。

シャトー ラヤスは3区画の畑から造られます。ドメーヌ裏手の畑は強いミストラルが吹く畑なので、畑の4倍の広さの防風林に囲まれています。たくさんの森に囲まれており寒暖の差が激しいので、葡萄はとてもゆっくり成熟します。そのため周囲の生産者よりも収穫時期が3週間も遅くなります。畑は粘土質が全くない細かい砂の土壌。湿度が溜まるのを防ぐ為に雑草は抜いておきます。砂質土壌がラヤスのフィネス、エレガンス、華やかさを与えています。白葡萄はグルナッシュ ブラン種とクレレット種、黒葡萄はグルナッシュ種が植えられています。

2014年の5月にフィネスの藤田社長に同行させて頂き、ドメーヌ裏手の畑の見学、ドメーヌ内の見学と瓶詰、2013年のアサンブラージュ前のキュヴェを樽から試飲をさせて頂きました。

フォンサレット用サンソー:甘くねっとり。ピチピチと溌剌。
フォンサレット用グルナッシュ:酸がしっかり。その後甘さがじんわり。
ピニャン用グルナッシュ:スパイシーな香り。甘さは控えめ。
ラヤス用グルナッシュ:ピチピチと溌剌。バランスが素晴らしくフィネスが凄い。
フォンサレット用シラー:ねっとり甘くスパイシー。軽い獣香。

旧樽が並ぶ醸造所

当主からのヴィンテージコメント
2009年
2008年よりもアルコール度数が上がり、酸度が下がっている。色調も濃く、果実味も豊かでタンニンも たっぷりしているので飲み応えがある

CHÂTEAUNEUF-DU-PAPE ROUGE
シャトーヌフ デュ パプ ルージュ

品種:グルナッシュ100%

ワインに力強さや骨格を与える小石が多くて日当たりの良い畑、オイリーさとスパイシーさを与える砂質と粘土質が混ざって古木の多い畑、繊細さや複雑さを与えるグルナッシュと相性の良い砂質の畑の3つがあり、それぞれ別々に醸造されて最終的にアサンブラージュされます。野性的な味わいながらも繊細さを損なわず、威風堂々とした、正に教皇のごとき風格を持つワインです。

防風林の森に囲まれた砂質土壌のグルナッシュの畑(5月)

CHÂTEAUNEUF-DU-PAPE BLANC
シャトーヌフ デュ パプ ブラン

品種:グルナッシュ ブラン50%、クレーレット50%

ワインに余計な化粧をさせないように樽は一切使わずステンレスタンク又は琺瑯タンクのみで醸造します。グルナッシュ ブランの繊細なフルーティさ、クレレットのオイリーな肉厚さがお互いを引き立て合っています。

シャトーの裏にある砂質土壌のクレレットの畑(5月)

CHÂTEAUNEUF-DU-PAPE ROUGE PIGNAN
シャトーヌフ デュ パプ ルージュ ピニャン

品種:グルナッシュ100%

シャトーヌフ デュ パプに所有する区画の中で最も北に位置し、砂質ではなく粘土と丸石で形成される一般的なシャトーヌフの土壌に近い畑です。甘くスパイシーな香り、エレガントな酸味と果実味、しっかりした骨格があり口当たりは固いですが奥行きが深く素晴らしい余韻があるワインです。